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千年の愉楽をみた

本日、ようやく千年の愉楽をみてきました

福岡ではPM2.5の警報が出ている中、中洲大洋へ初めて足を運びました
この映画館、以前白夜行の前売りを買いに行ったことはあるけれど
中に入ったのは初めてで、レトロな作りに感動しました
こういう映画館がまだあったんだ。。。と
チケットカウンターで席を決めることもなく、解放されている室内へ入って
自分で席を決めて、シートも緩やかではあるけれど、どこか古めかしくて
だけど座り心地が悪いわけでもなく
こういう場所が似合う映画だよねって思いました


客層も、今日はシルバーの日?って思うほどの高齢者の方々ばかりで。。
若松監督のファンの方々なのかしら?と思って見ていました
私が出たあとには、ロビーに若い女性もたくさんいらっしゃたので
ちょっとホッとしたんですがw



さて、映画です
皆さんの舞台挨拶レポや、パンフレットで事前に流れをつかんで見たので
とまどうことなく、映画の世界へ没頭することができました
初めてみるのに、すんなり話が入ってくる感じです

中本の高貴で穢れた血に翻弄される、美しい男達の行く末を見守るオバ
命をもらって生まれてくるものは皆仏様だと言うオバ
彼女の人生すべてをかけて、中本の男達、路地の人間達を包み込んで
生きて、そして死ぬ、生まれて、死ぬ、その繰り返しを見つめてきたオバを
中心に物語は進んでいきます

オバが初めて取りあげた赤子が高良健吾演ずる半蔵で
彼の全てを受け入れて、その後の人生をも見守っていきます
一度路地を出て、そのオバでさえ、見違えるほどの色男となって帰り
また路地の女達にこなかけて、いやそうさせられて翻弄されていく半蔵は
あまりに美しく、そしてはかなく、あっという間に命を落としてしまいます

生まれて死んでを自分の誕生日に体験し、半蔵の最後を演じるわけだけれど
なんとも死の表現があっけなく
こときれる瞬間を演出するでもなく、ただ、オバに抱かれ命が消える
半蔵の死の苦しみや未練など、そういったものが一切描かれていない死の演出で
中本の男の血が三好へと繋がれて行くだけの、そんな描かれ方が
よりリアルな半蔵の死を表現していたと思いました

皆さんからお知らせしていただいていた、山での睨みのシーン
これ、すごくいいですね
なるほど、高良健吾が貫いた表現だったんですね
彼が感じた中本の血がそうさせたのでしょうか
いずれにしろ、これはすごくいいシーンでした

そして、頬の傷をオバに見せる時の頸動脈の脈打つところ
演出でできるわけではなく、やろうと思ってできるわけもなく
今、ここに生きている、俺は生きている、中本の血に負けないと訴えているかごとく
首が脈打って

あぁ、生きていると
彼は、半蔵は生きていると強く感じました
それくらいあのシーンは見事です

半蔵の表情の変化もまた見物です
山を睨んで血に逆らった結果ではないにしろ
怪我をした仲間に責任を感じ、女へ金を借りに行き
結局また女と戯れることになるのだけれど
最初は面白がっていたのが、急激に表情に嫌悪感が現れて
突然の変化に半蔵の心の激流を感じます
その激しいものを鎮火することが出来ず、結局また女に囲われて
そして死を迎えてしまうのです




半蔵の、高良健吾の美しい姿を、いろんな表情を交えてフィルムに残してくださった
若松監督のご冥福を心から祈りたいと思います
それはまるで奇跡の瞬間かのように、なんて美しいのだろうと感嘆の溜息がでます

その場にあってはいけないものが映っていても
例えばエアコンの室外機が映っていても
違和感なく、あの路地の民たちの生きる場がそこにあり
そして見渡す限りの美しい海や山肌が画面にあり
冒頭の霧がたちこめる岩谷の幻想的なシーンが全てを覆い尽くすようで
奄美の民謡のバンバイ、バンバイが耳の残る、そんな叙情的な映画でした

オバの寺島さんの、年老いた姿も魅力的です
佐野さんや、新さん、そして初めて演技を見た高岡さん、染谷さんもどの方も
ものすごい存在感があり、なんて迫力ある映画なのかとも思います
高岡さん演じる三好が、火を噴くように生きたかったというセリフが印象的でした


今日行った映画館には、世之介のポスターも貼ってありました
世之介が穏やかな明るさを放った暖かさであれば
半蔵はモノクロの色彩が失せた空気で
対照的な作品だと思うのだけど、そうなんだけど
どちらも同じ、高良健吾という俳優がその時の自分で表現して出来た映画なのです
あまりに対照的なので、同じ人だろうかと感じるほどです


それを引き出してくださった若松監督へ感謝と敬意を捧げます
今日行った映画館、どこかで監督が佇んでいらっしゃるのではと思うような
そんな空気がありました

日頃通っている大きくて行き届いた映画館とは違い
人の手で作り上げているような、そんな映画館
実際、映画が終わったら、どこからか「ありがとうございました」とマイクを通さない声がし
まわりをキョロキョロ見ていたら、後ろの方からの声だったようで
シグナルで見たような、映写室に光がともり、そこからの声のようでした
若松組が撮影し、作品として世に送り出し、中洲大洋のような映画館で人の手で
作品を披露してくれる、そんな居心地のいい空間でした
そして、私がのんびりと身支度を終え、席を立った頃、映写技師さんらしき人が降りてきて
観客達に声をかけていらっしゃいました

そういう映画館でみた千年の愉楽、味わい深いものになりました

また、中洲大洋で半蔵に会いに行きます
来週行きたいので、上映時間いい具合に組んでいただけるといいなって思います




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高良健吾」カテゴリの記事

コメント

yukoさん
いよいよ真打登場ですね。
世之介と半蔵と迷われていらっしゃいましたが、
お彼岸の中日、若松監督が世に送り出してくれた半蔵になりましたね。

私も同じ日若松監督に敬意を表して半蔵に会いに行きました。
私もいつものこぎれいな劇場ではなくレトロ感たっぷりの劇場で観ました。
そんな劇場がこの作品には似合うのですよね。
劇場の雰囲気って大事だと思います。

映写技師さんが降りてこられたとは・・ますます素晴らしい!
シグナルの世界ですね~(・∀・)イイ!

私の観た回もいつもより年齢層高めでした。
私もウワサの頚動脈☆確認できました。

美しくも儚い半蔵とお人よしの世之介が同じ時期に公開となって
全く違う作品で全く違う役の高良健吾に会えるという醍醐味。
武器も自信もないというけど、高良健吾の役者としての可能性の高さと素晴らしさを感じます☆
できればどちらの作品もロングランでお願いしたいですね♪

時代に取り残された様な古めかしい場所の方がしっくりくる、そんな作品ですよね。
映写技師さんの心遣いも素敵です。ロビーで観客を迎えられる監督と同じですね。
作品を届けようとされている気概があって。

地方の小規模劇場は、二週間で上映終了の所も多いみたいですね。
ぼんやりしてると、会えないまま(おかわり)終わってしまいそうです。
2回目の千年〜どこで観るべきか迷っていましたが、こちらでのお話を聞いて
もう一度、十三の七藝で半蔵に会ってこようと思います。
半蔵の美しさに息をのみ、初めての生ケンに興奮した場所ですから。

『高良健吾の魅力はスクリーンサイズ、テレビ画面ではキャパオーバー』
嬉しい呟きを見かけました。世之介の人懐っこい笑顔も、半蔵の罪な美しさも
スクリーンで観て圧倒されろ!!っちコトっすね。噂の頸動脈も〜♪

 昨日見た横浜の映画館もそんなところでした。歌舞伎町と吉祥寺を足して2で割ったような所でしょうか?そして、若松監督の映画を上映するにはピッタリのところ。8割ぐらいは、入ってましたでしょうか?

私の前にいたシルバ-世代の2人の女性連れ。ケンケンの話をしてらっしゃいました。「朝ドラと多分ミチルが全然違うのよ。若いのにすごいわね。」とうれしかったです。

それで、映画に夢中になって頚動脈チェックし忘れました。   今度

>アコさん

半蔵みて、そのあと夜の部で(夜しかない)世之介とも思ったのですが
ちょっと体調が思わしくなく。。。っていうか、疲れてまして
次の日も仕事だしってことで、半蔵にターゲットを絞っていきました
なんていうか。。。世之介とはまるで違う空間がそこにありましたね
まさに、真打登場でした
15歳の半蔵はすでに男の色気の垂れ流しで、あれで大人の男になるわけで
恐ろしいほどの美しさでした
頸動脈は、言われなかったら気がつかなかったかもしれません
ありがたやー
で、映写技師さんらしき人のお見送りも、この映画館ならではのものなんでしょうね
というか、若松監督作品にぴったりでした

>ぷくさん

えぇ、ゆっくり構えていたらあっという間に上映が終わりそうな気がしてならず
世之介をもあきらめての半蔵タイムを堪能してまいりました
ロングランをお願いしたいところだけど、福岡での客層を見ると
ホントに昔からの映画ファンっていう方々が多く、多分若い女性などは
まさしく誰かの(多分高良健吾かと)ファンで一過性の感じがすっごくして
どうも口コミで広がる感じじゃない。。。ような印象です
でも、そこを広げるのが私たちファンの楽しみでもあり、ちょっとした使命でもあり
この映画、いいんだよ~って広げたいですね
大人なシーンもあるけれど、佐野さん、写真で会話しちゃうけどw
結局中本の男達のすさまじい生き方はわかっても、中本の女って出てこないよね?って
あとからあれれ?って思うこともあったりしたんだけどw
でも、何より高良健吾の美しさだけでもこの映画を観る価値はありますよね
若松監督に表現してもらった半蔵は、仏様のように美しいです

>meさん

シルバーの方のお言葉うれしいですね
やっぱりNHKに出演するってことは、視聴者の幅が広がりますよね
それもいい意味で
若者世代だけがマスメディアを支配しているわけじゃないですものね
頸動脈はぜひ次回で!
きっと一度目にはいったら、もう目が離せなくなりますよ
彼が生きているのを、目で確認できるわけですから
あの人は幻ではないって実感できます

半蔵が死ぬ前最後におばとかわした会話の時の表情さすが健吾んだなと感動しました。
いつも真剣に芝居に取り組んでる姿、尊敬します。

お名前がないので、どなたかわからないのですが
真剣に芝居に取り組んでいる姿、私も尊敬します
そして、演技というより、芝居と表現するのもいいなと思います

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» 千年の愉楽  監督/若松孝二 [西京極 紫の館]
【出演】  寺島しのぶ  佐野 史郎  高良 健吾  高岡 蒼佑 【ストーリー】 紀州の路地に生を受け、女たちに圧倒的な愉楽を与えながら、命の火を燃やしつくして死んでゆく、美しい中本の男たち。その血の真の尊さを知っているのは、彼らの誕生から死までを見つめ続けた...... [続きを読む]

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